走るクスリ 自転車の事典

カテゴリ : 
自転車書籍 » エッセイ・ガイド
執筆 : 
2012/1/21
◆おすすめ度:★★★★☆4=日本の自転車の歴史を分かりやすく読むことができる

著者が1934年生まれということもあってか、歴史的な資料が多く記されている。
銀輪の覇者を読んで、日本の昔の自転車事情に興味があったので、興味深く読むことができた。

巻頭にはカラーページがあり、いろいろな実用車やサイドカー付き自転車の写真などを見るだけでも楽しめる。
また、ヘッドマークやマスコット(風切り羽根)、保証票なども見ることができる。
(グラビア写真は「自転車文化センター収蔵資料写真集」から)

本文中にも随所に図表や写真などが挿まれていて、ぱらぱら眺めているだけでも面白い。
ヘッドライトとして「アセチレンガスランプ」とか、「ろうそくランプ」とかが使われていたとか...

第8章では「自転車と文学作品」として、自転車を扱った文学作品の内容が引用とともに解説されている。
昔の作品は漢文調だったり、旧仮名遣いだったりと、自分で読むにはハードルが高いが、このように紹介してあると読んでみたいという気になる。
「自轉車日記」夏目漱石
小説「魔風恋風」小杉天外
「自轉車日記」萩原朔太郎
小説「多甚古村」
小説「自轉車」志賀直哉
小説「お蝶夫人」瀬戸内晴美
小説「母の乳房」立松和平
コミック「並木橋通りアオバ自転車店」宮尾岳
まずは、夏目漱石、志賀直哉あたりが読みやすそう。

巻末の資料ページには
大規模自転車道の一覧
サイクリング・ターミナル(CT)全国一覧
自転車の年表
などが載っている。

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