こぐこぐ自転車

カテゴリ : 
自転車書籍 » エッセイ・ガイド
執筆 : 
2009/9/2

こぐこぐ自転車

◆おすすめ度:★★★★☆4=軽妙な文章でくすっと笑える

『チャタレイ夫人の恋人』の訳者であり、日本大学芸術学部教授であった著者が、 定年前の記念にと、12.5km の道のりを自転車で通勤してみることにして、そのまま6台もの自転車を所有するに至り、北海道とか四国とかまで行って自転車に乗っている。というお話。


本書の書名は、本来は『古希老人自転車日記』とでもすべきであった。

読み始めて驚く。このご老人(失礼!)、とても無茶をする人なのだ。
たとえば、甲州街道の大原交差点をアンダーパスで潜り抜けてしまうという。
大原交差点には立派な側道があるので、アンダーパスを通ろうと考えたこともなかった。
通れるとわかった今でも、危なくてあそこを走ろうとは思わないような場所だ。

そんな著者は、スポーツ自転車に乗っていて10回ぐらいひっくり返ったことがあるという。
ヘルメットをかぶっていて良かったとあるが、4年前に買ってから十回ぶつけているヘルメットをかぶっているというのだから恐ろしい。
一度でも衝撃を受けたヘルメットは危険だという業界の常識など、どこ吹く風という感じ。
そんな過激(?)な著者だが、自転車旅に出るときにはたくさんの薬と入れ歯を持って行くというあたりは年相応でほっとする。

ちなみに著者の所有する自転車6台は以下の通り。
GIANT MR4F
ルブリカント76
DAHON ヘリオスSL
miyata クオーツXLα
dioss のクロス(?)
KLEIN ATTITUDE V
小径車が3台も入っていて、これでアンダーパスを激走するのかと、さらに驚く。

読後に何か得るものがあったかと問えば何もないのだが、それこそがエッセイなのだろう。

ネットで検索したら、著者の写真を見つけることができた。
なるほど、お若い。これならあれだけ無茶をしても大丈夫なのだろう
自転車セカンドライフ 作家 伊藤 礼
こぐこぐ自転車(2) - 自転車のサドルの上で・・・

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