セカンドウィンド

カテゴリ : 
自転車書籍 » 小説
執筆 : 
2009/12/5

セカンドウィンド

◆おすすめ度:★★★★☆4=若い頃を思い返してわくわくする

溝口洋は自転車が好きな中学生。清滝村で祖父さんと二人で暮らしている。
競売で手に入れた郵便配達用の自転車に乗っていた洋は、あるときロードバイクを手に入れて自転車の世界にのめり込んでいく。

第一部では、洋がロードバイク欲しさにジュニア自転車レースに参加し、南雲電気自転車部ジュニアクラブの練習生となり、そこでクラブメンバーの南雲真一や清水元、今泉昇たちとさまざまな葛藤を経験していく。

第2部では田村岳と出会い、岳とともに清姫峠のヒルクライムに挑む姿が中心に描かれている。 本当にヒルクライムは辛そうで、自分の息まで苦しくなってくる。
これらの合間に、幼なじみである佐久間多恵とのぎこちない青春が、清滝村の美しい自然の中で描かれる。

第一部第二部とずいぶんボリュームがあるが、亡くなった父と自転車をめぐる祖父さんとの葛藤や、いなくなってしまった洋の母など謎が多く、まだまだ話は始まったばかりという感じだ。
登場人物は比較的多いが、みんなとてもわかりやすいキャラクターで、すっと入ってくる。
基本的に若者向けのジュブナイルと思われるので、若返ったつもりでわくわくしながら読むと良い。

自分も高校生の頃、中古の郵便自転車に乗っていたが、当然変速なんてないし、頑丈な両立スタンドでやたらと重かった。
それでも多摩川を目指して走ったり、あちこちへ走っていったりして楽しかった。
どんな自転車でも自転車が楽しいことには変わりはないのだなぁ。

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KNT
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